テレビでは台風の報道がなされている。
電車も止まり、異常事態であることは把握していた。
私の心の外と中とでは全く異なる世界があった。
23時まで仕事なので、帰りの心配とかあっても良さそうなのだが、我関せずで、仕事中ずっと教学に勤しんでいた。
こうした大きな災害はある種の大きなイベントであり、体験している人間は普通は渦中の主人公の一人として集合想念の世界に入り込むものだが、そのような集合想念に気を取られることもなかった。
心の世界の深い部分への探究心が揺らぐことは1ミリもない。
通り過ぎていくものに心を奪わせる必要はない。
今、自分がやるべきことを淡々と続けていくほかに選ぶべき道はない。
患うな。
一つ一つ捨てていけ。
まだまだ道は遠く、まだまだ余計なものを背負っている。
まだまだできていないことの方が多く、至らず、残念な部分も多々ある。
そんな情けない状況であっても、進んでいく覚悟と決意がある。
いけるところまで進んでいこう。
出来不出来にとらわれることなく、今の実力を受け入れて、今の自分にできる自己発揮を目指し続ける。