心のスケッチ  佐々木大記

真理探求作家の日々のひらめきを綴ってます。愛と幸福をテーマにした児童文学「ジル」を電子書籍出版で連載開始。http://pr4.work/3/jill(10/24)

11.5(月) 天使の幸せ

マイナス想念がまとわりついている感覚がどんどん重くなってきている。

気がつくと頭の中はどこかの誰かと言い合いをしていたり、とにかくにぎやかだ。

こういう精神的な重さは肉体的疲労にもつながる。

体がとにかく疲れている。。

夕方には這うような気持ちで家路についた。

ここまで疲れることってそうそうないんじゃないかって言うくらいの重さだ。

何もしたくないのだけど、熱めの風呂に入り、体をほぐしてから横になった。

どっしりとした泥のようなエネルギー体に取り付かれたかのようなダメージ感のなか、それでも心の奥にある光を見失ってはいない。

このくらいの重さがなんだというのだ。

そんな闘志に似た気持ちと同時に、主のお役に立てない時間を生きる悔しさに、奥歯をかみ締める。

 

「天使の幸せ」という言葉が浮かんだ。

 

天使は主のために働く聖なる存在。

苦しむ地上の人々の下に、主の光を届け、病める心を救う日々を過ごしていた。

天使の世界においてはそれが当たり前のことで、主のために尽くさないときはない。

 

その幸せがどれだけの価値を持っていることなのかを思い出すために、天使たちは時として地上に生まれ、すべてを忘れ、翼を閉じて人間としての修行をする。

 

地において天使たちは眠る。

天使の世界で過ごした幸せな日々もすべて忘れて、ただの人間として、自分や、家族のために生活をする。

10年

20年

30年

人間は天使の魂を眠らせたまま、生まれてから積み重ね、作ってきたエゴの人生を生き続ける。

あるとき、天使の魂は長い眠りから目を覚まそうとする。

窓から差し込む朝日を感じるときのように、目覚めの光、真理の光が、今世のエゴの殻の外からかすかにその温もりを伝えようとしている。

エゴの殻の中で目を覚ました天使は、翼はおろか手足も充分に伸ばせないような暗闇の中で、かすかな温もりを求め、硬い硬いエゴの殻を内側から破ろうと、心をノックする。

この殻を破って、この世界でも主のお役に立ちたい。

地上において天使の人生を生きたい。

エゴの人生は天使からのノックに心のうずきを感じながらも、1年、2年と歳月を重ねていく。

エゴはやがて出世をし、結婚をし、子供を作り、大きな家を建て、立派に家族を幸せにする。

天使は悲しみに耐えていた。

天使として生きた幸いが、遠ざかっていく悲しみに。

主のために生きることの叶わない時間が、刻一刻と通り過ぎていく悲しみに。

あるときエゴは真理に出会い、人生の本当の意味を知らされる。

天使は分厚いエゴの殻の内側から、精一杯の声をあげて助けを求める。

 

ここに“本当のわたし”がいる

 

その叫びはうずきとなって、少しずつエゴに働きかける。

やがてエゴは何十年とつかみ続けてきたものを一つ、また一つと手放しはじめ、殻の上に厚く積み重ねてきた岩盤を崩し、払いのけていく。

かすかに聞こえる天使の声を頼りに、内へ内へと突き進んでいく。

幾層にも積み重なった岩盤をどかしていくほどに、天使の悲しみがエゴに滲むように伝わってくる。

 

怒り

不平不満

欲望

妬み

 

堆積していた黒い想念は、内へと向かって掘り進むほどに、跳ね返り、砕け散り、エゴを汚していく。

 

焦り

自己中心

執着

憎悪

 

エゴは積み重ねてきた濁りをかき分けながら、殻の底へ向かってゆく。

 

目に映るすべてが

頭に浮かぶすべてが

邪悪なる黒い想念に絡め取られる。

それでもひたすら進んでいく。

 

エゴはとうとう最後の層にたどり着いた。

その層を隔てた先に、天使がいる。

最後の層にあったのは透明な悲しみだった。

想いのままに生きることのできない天使とエゴの悲しみ。

人間を憐れむ主の悲しみ。

 

父なる主と、子なるエゴと、精霊なる天使の涙が三位一体となったとき、真実の光が悲しみの底をぶち破って溢れ出す。

邪悪なるものは退き天使は翼を広げる。

 

地において目を覚ました天使は苦しむ人々の下に、主の光を届け、病める心を救う。

天使たちが主のために尽くさないときはない。

 

地において天使たちは眠る。

天使の世界において当たり前のことが、最大の幸せであることを、その幸せがどれだけの価値を持っていることなのかを、知るときを待って。
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